〈 It / Es 〉thinks, in the abyss without human.

Transitional formulating of Thought into Thing in unconscious wholeness. Circuitization of〈 Thought thing 〉.

Entries from 2021-01-01 to 1 year

▶ 映画『 パピヨン 』( 1973 : directed by フランクリン・J・シャフナー ) を通じて人文学における "蝶" の形象について考える

映画 『 パピヨン ( papillion ) 』 監督 フランクリン・J・シャフナー ( 1920~1989 ) 公開 1973年 原作 アンリ・シャリエール ( Henri Charrière : 1906~1973 ) 脚本 ダルトン・トランボ ( Dalton Trumbo : 1905~1976 ) ロレンツォ・センプル・ジュニア ( L…

▶ アッバス・キアロスタミの映画『 そして人生はつづく 』( 1992 ) を通じてフレームの主観的効果を考える

監督 アッバス・キアロスタミ 公開 1992年 出演 ファルハッド・ケラドマン プーヤ・パイヴァ-ル ババク・アフマドプール ユセフ・バランギ 1章 映画というフレーム アッバス・キアロスタミの映画を牧歌的に考える人は多いと思いますから、ここでは別のアプ…

▶ 桜庭一樹の『 少女を埋める 』論争について考える〈 2 〉

桜庭一樹「 キメラ ー 『 少女を埋める 』のそれから 」p.59 ~ 106 1. 閉じた共同体 a. 今月号の文學界を見て少し驚きましたね。桜庭一樹がまだ『 少女を埋める 』について追加的に書いていたので、まだ言うのかと。〈 桜庭 ー 鴻巣 〉 論争の一部の界隈での…

▶ 桜庭一樹の『 少女を埋める 』論争について考える〈 1 〉

文學界2021年9月号 桜庭一樹の私小説『 少女を埋める 』p.9~72 1. 桜庭一樹と鴻巣友季子の論争 a. 文學界2021年9月号に掲載された桜庭一樹の "私小説" 『 少女を埋める 』についての鴻巣友季子の文芸時評 ( 朝日新聞2021年8月25日朝刊 ) を巡って、当事者同…

▶ ヒッチコックの『 鳥 』( 1963 ) を哲学的に考える

初めに。この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。そのような短絡性はこの記事には皆無です。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味…

▶ チャールズ・ヴィダーの映画『 ギルダ 』( 1946 ) を哲学的に考える

はじめに --------------- この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味で、実は "自分が何も考…

▶ フリッツ・ラングの映画『 M 』( 1931 ) を哲学的に考える

初めに。この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。そのような短絡性はこの記事には皆無です。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味…

▶ ヒッチコックの映画『 めまい 』( 1958 )を哲学的に考える

初めに。この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。そのような短絡性はこの記事には皆無です。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味…

▶ ヒッチコックの映画『 白い恐怖 ( 1945 ) 』を哲学的に考える

初めに。この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。そのような短絡性はこの記事には皆無です。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味…

▶ 『 対談: 國分功一郎 × 若林正恭 真犯人を捜して生きている 』

雑誌 文學界 2021年3月号の対談:國分功一郎 × 若林正恭 『 真犯人を捜して生きている 』p118 ~135. から 1. スピノザの事を考えるお笑い芸人 a. 若林正恭の『 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 』、『 ナナメの夕暮れ 』を読んだことのある人で…

▶ 斎藤幸平の『 人新世の「 資本論 」』を哲学的に考える

人新世の「 資本論 」 ( 集英社新書 ) 著者 : 斎藤幸平 発行所 : 集英社 2020年 9月 22日 第一刷発行 1章 賞賛でもなく、シニカルな批判でもなく …… 世間で話題の斎藤幸平の『 人新世の「 資本論 」』に対する感想や批評の多く ( Amazon のレビューなど )…

▶ " マルクス・ガブリエルを読むのはやめなさい!" と言うのは言い過ぎだとしても ……

以前の記事 ( *1 ) で、マルクス・ガブリエルについての批判的考察をしたのでもう書くつもりはなかったのですが、最近の日本の出版界における異常ともいえるマルクス・ガブリエルのブームのおかけで、書店やネットで嫌でも彼の姿が目に入ってくる。困った…

▶ シーロ・ゲーラの映画『 彷徨える河 』( 2015 )を哲学的に考える

監督 シーロ・ゲーラ 公開 2015年 原案 リチャード・エヴァンズ・シュテルス テオドール・コッホ = グリュンベルグ 出演 二ルビオ・トーレス ( 若きカラマカテ ) アントニオ・ボリバル・サルバドール ( 年老いたカラマカテ ) ヤン・ベイヴート ( テオドール…

備忘録 2021. 4.30. 『 生命と境界 』

ナショナルジオグラフィック日本版の記事より ■ 生命の謎を解き明かす - ナショナル ジオグラフィック(NATIONAL GEOGRAPHIC) 日本版 ( 緑文字・下線は引用者である私によるもの ) 「生命とは一体何か、そして生命でないものとの違いは何なのか?」このような…

備忘録 2021. 4.26. 『 インドクワガタアリの脳 』

ニューズウィーク日本版の記事より 脳の2割を失い女王に昇格 インドクワガタアリの驚くべき生態明らかに | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト 脳の大きさを変化させるめずらしい生態が今回明らかになったのは、インドクワガ…

▶ アトム・エゴヤンの映画『 スウィートヒアアフター 』( 1997 )を哲学的に考える

監督 アトム・エゴヤン 公開 1997年 出演 イアン・ホルム ( ミッチェル・スティーヴンス / 弁護士 ) カーサン・バンクス ( ゾーイ / ミッチェルの娘 ) サラ・ポーリー ( ニコール / 車椅子の少女 ) トム・マッカムス ( サム / ニコールの父 ) ガブリエル・ロ…

▶ ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画『 プリズナーズ 』( 2013 )を哲学的に考える

監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ 公開 2013年 出演 ヒュー・ジャックマン ( ケラー・ドーヴァー ) ジェイク・ギレンホール ( ロキ / 刑事 ) マリア・ベロ ( グレイス・ドーヴァー / ケラーの妻 ) ヴィオラ・デイヴィス ( ナンシー・バーチ / ドーヴァー家の隣人 )…

▶ ウィトゲンシュタイン『 秘密の日記 』を読んで考える〈 3 〉

■ ウィトゲンシュタイン『 秘密の日記 』を読んで考える〈 2 〉からの続き 4章 バラバラになっている自分を掻き集めるウィトゲンシュタイン 1. ウィトゲンシュタインの自慰行為の記述 …… これを、たんなる性的快感を書き残したいという欲求の表れだと思って…

▶ ウィトゲンシュタイン『 秘密の日記 』を読んで考える〈 2 〉

■ ウィトゲンシュタイン『 秘密の日記 』を読んで考える〈 1 〉からの続き 3章 哲学者の自慰 1. さて、かつては隠されていたウィトゲンシュタインの赤裸々な内面を明らかにした『 秘密の日記 』ですが、最も目を引くのは彼の性生活、自慰への言及でしょう。…

▶ ウィトゲンシュタイン『 秘密の日記 』を読んで考える〈 1 〉

ウィトゲンシュタイン『 秘密の日記 』 第一次世界大戦と論理哲学論考 ■ 著者 : ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン ■ 翻訳 : 丸山 空大 ■ 解説 : 星川 啓慈・石神 郁馬 ■ 発行所 : 春秋社 ■ 2016年4月29日 第1刷発行 1章 哲学者の日記 1. ウィトゲン…

▶ アラン・ロブ=グリエの映画『 不滅の女 』( 1963 )を哲学的に考える〈 2 〉

■ 上記 ( 前回 ) の記事からの続き。 ■ 先程までは、誰かに見られていた男が、今度は窓から何かを見る側になっている ( 26. )。この見る主体と見られる客体の交替は、意味のない美的混乱などではなく、視線の権利、視線の唯物論的動線、が人間主体の支配を脱…

▶ アラン・ロブ=グリエの映画『 不滅の女 』( 1963 )を哲学的に考える〈 1 〉

初めに。この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。そのような短絡性はこの記事には皆無です。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味…

▶ ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画『 複製された男 』( 2014 ) を哲学的に考える〈 2 〉

上記 ( 前回 ) の記事からの続き。 4章 "母なるもの" の快楽 では "母なるもの" において快楽が最大に高まった時、何が起こるのでしょう。それは、言い換えると、男に対する主導権が最も強まった時 だということになるのですが、その時、男は夫でも恋人でも…

▶ ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画『 複製された男 』( 2014 ) を哲学的に考える〈 1 〉

監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ 公開 2014年 原作 ジョゼ・サラマーゴ『 O Homem Duplicado ( 複製された男 ) 』2003年 出演 ジェイク・ギレンホール ( アダム / アンソニー :一人二役 ) メラリー・ロラン ( メアリー / アダムの恋人 ) サラ・ガドン ( ヘレン /…

▶ スタンリー・キューブリックの映画『 アイズ ワイド シャット 』( 1999 )を哲学的に考える〈 3 〉

上記 ( 前回 ) の記事からの続き。 7章 キューブリックにおける〈 夢 〉の意味 キューブリックが描き出した夫婦関係の非対称性とは、男が女に精神的に服従するというものでした。それによって男は〈 夫 〉という主体になり、女は〈 妻 〉という主体になるの…

▶ スタンリー・キューブリックの映画『 アイズ ワイド シャット 』( 1999 )を哲学的に考える〈 2 〉

上記 ( 前回 ) の記事からの続き。 5章 〈 夢 〉という現実 キューブリックが面白いのは、夢や幻想を現実であるかのように仕立て上げる所です ( 例えば『 博士の異常な愛情 ( 1964 ) 』のラストなど )。正確に言うならば、夢がそのまま現実へと滑らかに接続…

▶ スタンリー・キューブリックの映画『 アイズ ワイド シャット 』( 1999 )を哲学的に考える〈 1 〉

監督 スタンリー・キューブリック 公開 1999年 原作 アルトゥール・シュニッツラー『 夢小説 ( 1926 ) 』 出演 トム・クルーズ ( ビル ) ニコール・キッドマン ( アリス ) シドニー・ポラック ( ビクター・ジーグラー ) 1章 無意識の欲望に踏み込むことの危…