〈 It / Es 〉thinks, in the abyss without human.

Transitional formulating of Thought into Thing in unconscious wholeness. Circuitization of〈 Thought thing 〉.

Entries from 2018-01-01 to 1 year

▶ 映画『 存在の耐えられない軽さ 』( 1988 : directed by フィリップ・カウフマン )を哲学的に考える

はじめに --------------- この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味で、実は "自分が何も考…

ベルナルド・ベルトルッチの映画『 ドリーマーズ 』( 2003 )を哲学的に考える

監督 ベルナルド・ベルトルッチ 公開 2003 年 原作・脚本 ギルバート・アデア 出演 マイケル・ピット ( マシュー ) エヴァ・グリーン ( イザベル ) ルイ・ガレル ( テオ ) ジャン・ピエール・レオ ( ジャン・ピエール・レオ / 本人役 ) 1章 "映画" …

B級戦争映画:ジョン・ミリアスの『 戦場 』( 1989 )

監督・脚本 : ジョン・ミリアス 公開 : 1989 年 原作 : ピエール・シェンデルフール 『 L'Adieu au Roi ( さらば王様 ) 』1969年 出演 : ニック・ノルティ ( リーロイド ) : ナイジェル・ヘイヴァース ( フェアボーン大尉 ) : マリリン・トクダ (…

▶ ラース・フォン・トリアーの映画『 アンチクライスト ( 2009 ) 』を哲学的に考える

監督 ラース・フォン・トリアー 公開 2009 年 出演 シャルロット・ゲンズブール ウィレム・デフォー 1章 崩壊する男女関係 ラース・フォン・トリアーがこの映画で描き出そうとしているのは、崩壊する男女関係の、しかも女性の側に比重を置いた崩壊過程の、…

▶ 映画『 地獄の黙示録 』( 1979 : directed by フランシス・フォード・コッポラ )を哲学的に考える

映画 『 地獄の黙示録 ( Apocalypse Now ) 』 監督 フランシス・フォード・コッポラ ( Francis Ford Coppola : 1939~ ) 公開 1979年 脚本 ジョン・ミリアス ( John Milius : 1944~ ) フランシス・フォード・コッポラ 出演 マーロン・ブランド ( Marlon Brand…

▶ 映画『 ローズマリーの赤ちゃん 』( 1968 : directed by ロマン・ポランスキー )を哲学的に考える

初めに。この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。そのような短絡性はこの記事には皆無です。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味…

元PANTERA のレックス・ブラウンの手記がヴィニー・ポールへの愛に溢れていた・・・。

■ 2018年6月22日に54歳の若さで亡くなった元PANTERA~DAMAGE PLAN~HELLYEAH のドラマー、ヴィニー・ポール・アボット。何人ものミュージシャンが追悼のコメントを出していますが、元メンバーのベーシスト、レックス・ブラウンがローリングストーン誌 ( 英語版…

▶ ヒッチコックの映画『 サイコ 』( 1960 ) を哲学的に考える

監督 アルフレッド・ヒッチコック 公開 1960 年 脚本 ジョセフ・ステファノ 原作 ロバート・ブロック 出演 アンソニー・パーキンス ( ノーマン・ベイツ ) ジャネット・リー ( マリオン・クレイン ) ジョン・ギャビン ( サム・ルーミス / マリオンの恋人…

▶ アンドレイ・タルコフスキーの映画『 ストーカー 』( 1979 )を哲学的に考える

監督 : アンドレイ・タルコフスキー 公開 : 1979 年 脚本 : アルカジイ・ストルガツキー、ボリス・ストルガツキー 出演 : アレクサンドル・カイダノフスキー ( ストーカー ) : アリーサ・フレインドリフ ( ストーカーの妻 ) : アナトリー・ソリニ…

ランド・ラビッチの映画『 ノイズ 』( 1999 ) を哲学的に考える

公開 : 1999年 監督 : ランド・ラビッチ 出演 : ジョニー・デップ ( スペンサー・アーマコスト ) : シャーリーズ・セロン ( ジリアン・アーマコスト ) この記事は『 ノイズ 』の哲学的解釈と洞察に重点を置き、"考える事を味わう" という僕の個人的…

▶ ブライアン・シンガーの映画『 ユージュアル・サスペクツ 』( 1995 ) を哲学的に考える

監督 : ブライアン・シンガー 公開 : 1995 年 脚本 : クリストファー・マッカーリー 出演 : ガブリエル・バーン ( ディーン・キートン ) :ケヴィン・スペイシー ( ヴァーバル・キント ) : ベニチオ・デル・トロ ( フレッド・フェンスター ) : …

▶ ポール・バーホーベンの映画『 ELLE 』( 2016年 ) を哲学的に考える

公開 2016 年 監督 ポール・バーホーベン 原作 フィリップ・ディジャン 出演 イザベル・ユペール ( ミシェル・ルブラン ) ジュディット・マール ( イレーヌ・ルブラン ) ジョナ・ブロケ ( ヴァンサン・ルブラン ) ロラン・ラフィット ( パトリック )…

▶ 手紙は宛先に届くのか? ラカンとデリダの対立から考える(4)

上記 ( 前回 ) の記事からの続き。 a. このテーゼの内容を掘り下げる必要があるでしょう。手紙が彷徨うとはどういう事であるのか? 受取られても逃げ去るのはなぜなのか? それは手紙の行程そのものに関わる問題でもある。手紙は一体何処に向かうのか? 宛名…

▶ 手紙は宛先に届くのか? ラカンとデリダの対立から考える(3)

上記 ( 前回 ) の記事からの続き。 a. 宛先における〈 死 〉・・・それは宛名人の〈 死 〉なのです。差出人が宛名を書く時、それは自分の言う事を聞いてもらう、あるいは受取ってもらう、受け入れてもらう為なのですが、それは同時にそうしてもらわねばなら…

▶ 手紙は宛先に届くのか? ラカンとデリダの対立から考える(2)

上記 ( 前回 ) の記事からの続き。 a. 先に述べましたが、手紙の受取りが上手くいかない場合がありえるように象徴空間が十分に構造化されていないのであれば、事態はどうなるのでしょう。言語を媒介にした対人関係としての象徴空間においては、手紙という記…

▶ 手紙は宛先に届くのか? ラカンとデリダの対立から考える(1)

a. エドガー・アラン・ポーの小説『 盗まれた手紙 』の読解から引き出した〈 手紙は宛先に必ず届く 〉という精神分析家ジャック・ラカンのテーゼとそれに対する〈 手紙は宛先に届かないこともありうる 〉という哲学者ジャック・デリダのアンチテーゼは、かつ…

▶ ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学-(10)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(9)からの続き。 10. 複数性としての幽霊 ② a. 幽霊的なものの特徴は、時間的にも、場所的にも、複数的である可能性を保持しているにも関わらず、それらを束ねて単独的であるかのように振舞える事です。しかし、…

▶ ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー〈 9 〉

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(8)からの続き。 9. 複数性としての幽霊 ① a. 精神は移行の運動という全体性において自らの真理を知る、つまり精神は知となる。しかし、移行に抵抗する個物が自らの中に収縮する時、精神は知に至らず、個物から…

▶ ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー〈 8 〉

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(7)からの続き。 8. 弁証法と存在論 a. 自分に先行するものとしての精神を否定して自らの存在に固執する人間とは何でしょう。ヘーゲルは『 精神現象学 』の 「理性」において現実に対する個人の二つの態度を挙…

▶ ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(7)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(6)からの続き。 7. 人間的なものについて a. 人間が〈 精神の過程 〉において発生したものに過ぎないのであれば、人間的なものとはいかなる意味を持つのでしょう。起源の分からない意識の中で、自らを人間であ…

▶ ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー〈 6 〉

ヘーゲルにおける精神と幽霊 ― 幽霊の哲学 ― (5)からの続き。 6. 非人間的なものという哲学的真理 a. 精神の運動の結末としての絶対知の究極的結論は、ヘーゲルの標準的理解とは対極であるように思えますが、最初の出発点において自己疎外された物として…

▶ ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(5)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(4)からの続き。 5. 知としての精神 a. ヘーゲルにおいては、精神は自らを自己の元ではなく他のものにおいて他在するという形で自己を回復する。しかし、ここからが大切なのですが、自己を回復するといっても、…

▶ ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(4)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(3)からの続き。 4. 移行する事が出来ない精神の正体としての幽霊 a. 既に述べたように自己疎外された対象において開始される精神の運動は、その過程において外部から人間を形成するという意味で "非人間的なも…

▶ ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー〈 3 〉

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー( 2 )からの続き。 3. 主体の真実としての対象 a. ヘーゲルの哲学において、〈 精神 〉は〈 主体 〉として自己展開する。だが見かけ上は主体はその姿を直接的に見せる事はない。主体 ( 精神 ) は別の何物かに他…

▶ ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー〈 2 〉

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(1)からの続き。 2. 非人間的な物としての精神 a. 〈 精神 〉という概念の本質、ヘーゲル的に言うとそれは〈 運動 〉です。それも自己を取り戻す運動です。精神が自己外化した結果としての〈 対象 〉を、実はそ…

▶ ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー〈 1 〉

1. 精神とは幽霊ではないのか? a. ヘー ゲルにおいて〈 精神 〉とは〈 幽霊 〉の意味を含んではいないのでしょうか。なぜ、そう考えるかというと、ヘーゲルが強力に練り上げた概念である精神、そのドイツ語が持つ意味のひとつとしてあるはずの幽霊が文字通…

▶ アンジェイ・ズラウスキーの映画『 シルバーグローブ 』( 1989 ) を哲学的に考える

監督 アンジェイ:ズラウスキー 公開 1989 年 原作 イェジー・ズラウスキー ( 『 月三部作 』) 製作国 ポーランド 1章 『 シルバーグローブ 』の成り立ちと演出 映画『 シルバーグローブ 』は、アンジェイ・ズラウスキーの大叔父であった イェジー・ズラウ…

僕の記憶に残したいモーショングラフィックを使用したしたミュージックビデオ:U2 の "Get On Your Boots ( 2009 )"

■ 2009年に発表されたU2の12枚目のスタジオアルバム『 No Line on the Horizon 』からの1st シングル "Get On Your Boots" のMVを紹介する・・・というか自分のための備忘録として記録しときます。何回も見たMVだけど、このMVのモーショングラフィックは本当…

▶ タル・ベーラの映画『 ニーチェの馬 』を哲学的に考える

監督 タル・ベーラ 公開 2011年 脚本 タル・ベーラ クラスナホルカイ・ラースロー 出演 デルジ・ヤーノシュ ( 父 ) ボーク・エリカ ( 娘 ) ここにおける記事は、誰かのためでなく、何かのためでもありません。ましてや映画についての一般的教養を高めるため…

記憶に残したいシンガー〈 クリス・コーネル 〉

以前、このブログの記事 僕を楽しませてくれた映画『 007 カジノ ロワイヤル 』のオープニングをクリス・コーネルの死から再び見直した でクリス・コーネルについて触れ、 記憶に残したいグランジロック〈 サウンドガーデン 〉 でクリスの出発点であるグラン…