〈 It / Es 〉thinks, in the abyss without human.

Transitional formulating of Thought into Thing in unconscious wholeness. Circuitization of〈 Thought thing 〉.

◆ CINEMA the 2010s

▶ 映画『 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 』( 2019 : directed by クエンティン・タランティーノ ) を哲学的に考える

映画 『 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ( Once Upon a Time in Hollywood ) 』 監督 クエンティン・タランティーノ ( Quentin Tarantino : 1963~ ) 出演 レオナルド・ディカプリオ ( Leonardo DiCaprio : 1974~ ) リック・ダルトン ブラッド…

▶ 映画『 草原の実験 』( 2014 : directed by アレクサンドル・コット ) を哲学的に考える

映画 『 草原の実験 』 ( 露 : Испытание / 英 : Test ) 監督 アレクサンドル・コット ( 露 : Александр Котт / 英 : Alexander Kott、born : 1973~ ) 公開 2014年 出演 エレナ・アン ( Elena An : 1998~ ) ディナ / トルガットの娘 カリム・パカチャコフ ( …

▶ 『 野生の叫び 』( 1972 : directed by ケン・アナキン ) を『 さらば、愛の言葉よ 』( 2014 : directed by ゴダール ) と共に哲学的に考える〈 2 〉

A. ケン・アナキンはこの作品の創造において、ジャック・ロンドンの方法論を無意識的に踏襲している。 動物の視線の先にある世界、彼らには見えているが人間には見えない世界、を 人間が動物を見る視線 と 動物が人間を見る視線 と交錯させる事によって浮か…

▶ 『 野生の叫び 』( 1972 : directed by ケン・アナキン ) を『 さらば、愛の言葉よ 』( 2014 : directed by ゴダール ) と共に哲学的に考える〈 1 〉

映画 『 野生の叫び ( The Call of the Wild ) 』 監督 ケン・アナキン ( Ken Annakin : 1914~2009 ) 公開 1972年 原作 『 野生の呼び声 ( The Call of the Wild ) 』( 1903 ) by ジャック・ロンドン ( Jack London : 1876~1913 ) 出演 チャールトン・ヘスト…

▶ トッド・フィリップスの映画『 ジョーカー 』( 2019 ) を哲学的に考える

はじめに ------------------ この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味で、実は "自分が何も…

▶ ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画『 メッセージ 』( 2016 ) を哲学的に考える〈2〉

前回 ( 上記 ) の記事の続き。 4章 自由意志と目的地 この反転の瞬間、自らの人生の繰返しを単に知るのではなく、それを望み肯定する時、永遠回帰の円環性の中には自由意志の入る余地がないのではないかという一般的誤解に反して、紆余曲折のある自分自身の…

▶ ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画『 メッセージ 』( 2016 ) を哲学的に考える〈1〉

監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ 公開 2016年 原作 テッド・チャン『 あなたの人生の物語 ( Story of Your Life ) 』( 2002 ) 出演 エイミー・アダムス ( ルイーズ・バンクス 役 ) ジェレミー・レナー ( イアン・ドネリー 役 ) フォレスト・ウィテカー ( ウェバー…

▶ ヤン・コマサの映画『 聖なる犯罪者 』( 2019 ) を通じて "回心" を神学的・哲学的に考える

公開 2019年 監督 ヤン・コマサ 脚本 マテウシュ・パツェヴィチュ 出演 バルトシュ・ヴィェレニア ( ダニエル ) ウカシュ・シムラト ( トマシュ神父 ) トマシュ・ジェンテク ( ピンチェル ) ズジスワフ・ワルディン ( ヴォイチェフ神父 ) エリーザ・リチェム…

▶ シーロ・ゲーラの映画『 彷徨える河 』( 2015 )を哲学的に考える

監督 シーロ・ゲーラ 公開 2015年 原案 リチャード・エヴァンズ・シュテルス テオドール・コッホ = グリュンベルグ 出演 二ルビオ・トーレス ( 若きカラマカテ ) アントニオ・ボリバル・サルバドール ( 年老いたカラマカテ ) ヤン・ベイヴート ( テオドール…

▶ ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画『 プリズナーズ 』( 2013 )を哲学的に考える

監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ 公開 2013年 出演 ヒュー・ジャックマン ( ケラー・ドーヴァー ) ジェイク・ギレンホール ( ロキ / 刑事 ) マリア・ベロ ( グレイス・ドーヴァー / ケラーの妻 ) ヴィオラ・デイヴィス ( ナンシー・バーチ / ドーヴァー家の隣人 )…

▶ ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画『 複製された男 』( 2014 ) を哲学的に考える〈 2 〉

上記 ( 前回 ) の記事からの続き。 4章 "母なるもの" の快楽 では "母なるもの" において快楽が最大に高まった時、何が起こるのでしょう。それは、言い換えると、男に対する主導権が最も強まった時 だということになるのですが、その時、男は夫でも恋人でも…

▶ ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画『 複製された男 』( 2014 ) を哲学的に考える〈 1 〉

監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ 公開 2014年 原作 ジョゼ・サラマーゴ『 O Homem Duplicado ( 複製された男 ) 』2003年 出演 ジェイク・ギレンホール ( アダム / アンソニー :一人二役 ) メラリー・ロラン ( メアリー / アダムの恋人 ) サラ・ガドン ( ヘレン /…

サミュエル・マオズの映画『 運命は踊る 』( 2018 )を哲学的に考える〈 2 〉

■ 息子のヨナタンに聖書の代わりにPLAYBOY誌を渡すというミハエルの行動 ( 69. )は、彼の内面ではユダヤ教の伝統が形骸化され、無意識的にそれを繰り返すだけのものになっていた事を意味する。もちろん、その行為に対して悪ふざけにも程があるだろうという意…

サミュエル・マオズの映画『 運命は踊る 』( 2018 )を哲学的に考える〈 1 〉

初めに。この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。そのような短絡性はこの記事には皆無です。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味…

▶ ダニエル・ファランズの映画『 ハリウッド1969 シャロン・テートの亡霊 』(2019 )を哲学的に考える

監督 ダニエル・ファランズ ( Daniel Farrands : 1969~ ) 公開 2019年 出演 ヒラリー・ダフ ( Hilary Duff : 1987~ ) シャロン・テート ジョナサン・ベネット ( Jonathan Bennett : 1981~ ) ジェイ・セブリング リディア・ハースト ( Lydia Hearst : 1984~ )…

▶ ラース・フォン・トリアーの映画『 ハウス・ジャック・ビルト ( 2018 )』を哲学的に考える〈 2 〉

ラース・フォン・トリアーの映画『 ハウス・ジャック・ビルト 』( 2018 )を哲学的に考える〈 1 〉からの続き 3章 破滅の象徴としての偶像 トリアーは偶像の例として、ドイツの戦闘機シュトゥーカ ( ドイツのユンカース社が1930年代に開発した爆撃機 Ju 87…

▶ ラース・フォン・トリアーの映画『 ハウス・ジャック・ビルト ( 2018 ) 』を哲学的に考える〈 1 〉

監督 ラース・フォン・トリアー 公開 2018年 出演 マット・ディロン ( ジャック ) ブルーノ・ガンツ ( ヴァ-ジ ) ユマ・サーマン 1章 トリアーが描き出そうとするもの この映画でトリアーが描こうとしたものとは何だったのでしょう。殺人鬼ジャックの異常…

▶ メアリー・ハロンの映画『 チャーリー・セズ / マンソンの女たち 』( 2019 )を哲学的に考える

監督 メアリー・ハロン 公開 2019年 脚本 グィネヴィア・ターナー 原作 カーリーン・フェイス『 The Long Prison Journey of Leslie Van Houten : Life Beyond the Cult 』 出演 マット・スミス ( チャールズ・マンソン ) ハンナ・マリー ( レスリー・ヴァ…

▶ 映画『 魂のゆくえ ( 2017 ) 』( directed by ポール・シュレイダー )を哲学的に考える

映画 『 魂のゆくえ ( First Reformed ) 』 監督 ポール・シュレイダー ( Paul Schrader : 1946~ ) 公開 2017年 出演 イーサン・ホーク ( Ethan Hawke : 1970~ ) エルンスト・トラー アマンダ・サイフリッド ( Amanda Seyfried : 1985~ ) メアリー フィリッ…

▶ 映画『 累 かさね 』( 2018 : directed by 佐藤祐市 )を哲学的に考える〈 4 〉

上記の記事からの続き。 6章 サロメの首、丹沢二ナの首 この映画において『 サロメ 』が特権化されているのは、監督の佐藤祐市がクライマックスの場面で、斬首された ヨカナーンの首 と 丹沢二ナの顔 ( 頭部 ) を "直結" させるアイデア を思いついたからで…

▶ 映画『 累 かさね 』( 2018 : directed by 佐藤祐市 )を哲学的に考える〈 3 〉

上記の記事からの続き。 5章 "サロメ" の誕生 この映画のラストで使われている戯曲『 サロメ 』がオスカー・ワイルドによるものだということは既に述べました。そして前回では、ワイルドの『 サロメ 』の源流として、新約聖書の『 マタイ伝 』、『 マルコ伝…

▶ 映画『 累 かさね 』( 2018 : directed by 佐藤祐市 )を哲学的に考える〈 2 〉

上記の記事からの続き。 4章 サロメの系譜 『 累 ーかさねー 』の中で上演される『 サロメ ( 1893 ) 』はアイルランドの作家、オスカー・ワイルド ( Oscar Wilde : 1854 ~ 1900 ) の戯曲なのですが、これは新約聖書におけるマタイ伝、マルコ伝、の話を基本…

▶ 映画『 累 かさね 』( 2018 : directed by 佐藤祐市)を哲学的に考える〈 1 〉

監督 佐藤祐市 ( 1962~ ) 公開 2018年 脚本 黒岩 勉 ( 1973~ ) 原作 『 累 -かさねー 』 松浦だるま ( 1984~ ) 出演 土屋太鳳 ( 1995~ ) 丹沢ニナ / たんざわにな 芳根京子 ( 1997~ ) 淵 累 / ふち かさね 浅野忠信 ( 1973~ ) 羽生田 釿互 / はぶた きんご …

▶ 映画『 mother ! 』( 2017 : directed by ダーレン・アロノフスキー ) を哲学的に考える

監督 ダーレン・アロノフスキー ( Darren Aronofsky : 1969~ ) 公開 2017年 出演 ジェニファー・ローレンス ( Jennifer Lawrence : 1990~ ) 妻 ハビエル・バルデム ( Javier Bardem : 1969~ ) 夫 エド・ハリス ( Ed Harris : 1950~ ) 客人・夫 ミシェル・フ…

▶ 映画『 ブラックスワン 』( 2010 : directed by ダーレン・アロノフスキー )を哲学的に考える

監督 ダーレン・アロノフスキー ( Darren Aronofsky : 1969~ ) 公開 2010年 出演 ナタリー・ポートマン ( natalie Portman : 1981~ ) ニナ・セイヤーズ ヴァンサン・カッセル ( Vincent Cassel : 1966~ ) トマ・ルロイ ミラ・クニス ( Mila Kunis : 1983~ ) …

▶ ポール・バーホーベンの映画『 ELLE 』( 2016年 ) を哲学的に考える

公開 2016 年 監督 ポール・バーホーベン 原作 フィリップ・ディジャン 出演 イザベル・ユペール ( ミシェル・ルブラン ) ジュディット・マール ( イレーヌ・ルブラン ) ジョナ・ブロケ ( ヴァンサン・ルブラン ) ロラン・ラフィット ( パトリック )…

▶ タル・ベーラの映画『 ニーチェの馬 』を哲学的に考える

監督 タル・ベーラ 公開 2011年 脚本 タル・ベーラ クラスナホルカイ・ラースロー 出演 デルジ・ヤーノシュ ( 父 ) ボーク・エリカ ( 娘 ) ここにおける記事は、誰かのためでなく、何かのためでもありません。ましてや映画についての一般的教養を高めるため…

▶ マイケル・ウインターボトムの映画『 キラー・インサイド・ミー 』( 2010 )を哲学的に考える

映画 『 キラー・インサイド・ミー ( The killer Inside Me ) 』 監督 マイケル・ウインターボトム ( Michael Winterbottom : 1961~ ) 公開 2010 年 原作 ジム・トンプソン ( Jim Thompson : 1906~1977 ) 出演 ケーシー・アフレック ( Casey Affleck : 1975~…

映画『 ヒメアノ~ル 』を哲学的に考える

公開:2016年 監督:吉田恵輔 脚本:吉田恵輔 原作:古谷実 出演:森田剛 (森田正一) :佐津川愛美 (阿部ユカ) :濱田岳 (岡田進) :ムロツヨシ (安藤勇次) ■ オープニングクレジットが上映開始から43分後に出てくるという効果的な演出が凝っている〈ヒメア…

▶ ラース・フォン・トリアーの映画『 メランコリア 』( 2011 )を哲学的に考える

ラース・フォン・トリアーのナチスへの傾倒とヒトラーへの共感発言でセンセーショナルな注目を浴びる事になった本作品。タルコフスキーの〈惑星ソラリス〉へのオマージュであるこの映画を通じてトリアーの映画の本質について考えます。