〈 It / Es 〉thinks, in the abyss without human.

Transitional formulating of Thought into Thing in unconscious wholeness. Circuitization of〈 Thought thing 〉.

Entries from 2020-01-01 to 1 year

▶ ラース・フォン・トリアーの映画『 ハウス・ジャック・ビルト ( 2018 )』を哲学的に考える〈 2 〉

ラース・フォン・トリアーの映画『 ハウス・ジャック・ビルト 』( 2018 )を哲学的に考える〈 1 〉からの続き 3章 破滅の象徴としての偶像 トリアーは偶像の例として、ドイツの戦闘機シュトゥーカ ( ドイツのユンカース社が1930年代に開発した爆撃機 Ju 87…

▶ ラース・フォン・トリアーの映画『 ハウス・ジャック・ビルト ( 2018 ) 』を哲学的に考える〈 1 〉

監督 ラース・フォン・トリアー 公開 2018年 出演 マット・ディロン ( ジャック ) ブルーノ・ガンツ ( ヴァ-ジ ) ユマ・サーマン 1章 トリアーが描き出そうとするもの この映画でトリアーが描こうとしたものとは何だったのでしょう。殺人鬼ジャックの異常…

▶ メアリー・ハロンの映画『 チャーリー・セズ / マンソンの女たち 』( 2019 )を哲学的に考える

監督 メアリー・ハロン 公開 2019年 脚本 グィネヴィア・ターナー 原作 カーリーン・フェイス『 The Long Prison Journey of Leslie Van Houten : Life Beyond the Cult 』 出演 マット・スミス ( チャールズ・マンソン ) ハンナ・マリー ( レスリー・ヴァ…

▶ ベルナルド・ベルトルッチの映画『 暗殺のオペラ 』( 1970 )を哲学的に考える〈 4 〉

■ "真実を知りながら、秘密を守る" ( 126~127 ) 、"僕もこの陰謀劇の共犯者でしかないからだ" ( 128 ) 、と英雄の死に対し沈黙を守り、英雄の伝説を三人組と同様に守ろうと考えるアトス。もちろんアトスは、先に述べた父の死に至る経緯の真相に薄々気付きな…

▶ ベルナルド・ベルトルッチの映画『 暗殺のオペラ 』( 1970 )を哲学的に考える〈 3 〉

■ 父親はファシストの報復で殺された、という推理を一旦はしたアトスですが、父親が、劇場での『 リゴレット 』上演中に殺されたのと、ムッソリーニ暗殺計画の舞台が同じ劇場での『 リゴレット 』上演中であること ( アトスの父親は爆弾での暗殺を提案したが…

▶ ベルナルド・ベルトルッチの映画『 暗殺のオペラ 』( 1970 )を哲学的に考える〈 2 〉

■ ドライファの話を聞いたアトスだが、あまり興味がないのか、すぐに帰ろうとする ( 25~26. )。明らかに引き留めにかかるドライファ ( 26. のシーンの後で、彼女はわざとと気を失ったふりをしてアトスを心配させ帰りづらくしている )。暗殺事件での警察の捜…

▶ ベルナルド・ベルトルッチの映画『 暗殺のオペラ 』( 1970 )を哲学的に考える〈 1 〉

初めに。この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。そのような短絡性はこの記事には皆無です。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味…

▶ アラン・ロブ=グリエの映画『 囚われの美女 』( 1983 )を哲学的に考える〈 3 〉

A. ここで見逃すべきでないのは、性的なもの に対する男女の違いです。ヴァルテルの女に対する見方が主観的フレームに基づくものだとするならば、マリー・アンジュの官能性はヴァルテル自身の欲望の投影に他ならないということが出来るでしょう。しかし、こ…

▶ アラン・ロブ=グリエの映画『 囚われの美女 』( 1983 )を哲学的に考える〈 2 〉

La Belle Captive by ルネ・マグリット A. ここで、1章で言及した La Belle Captive の2つの邦訳の話に戻りましょう。一見すると『 囚われの美女 』の方が、こなれた感が出ていて La Belle Captive の訳として収まりがいいように思われるかもしれません ( …

▶ アラン・ロブ=グリエの映画『 囚われの美女 』( 1983 )を哲学的に考える〈 1 〉

監督 アラン・ロブ=グリエ 公開 1983年 出演 ダニエル・メグイシュ ( ヴァルテル ) ガブリエル・ラズール ( マリー・アンジュ・ヴァン・ド・レーヴ ) シリエル・クレール ( サラ ) A. アラン・ロブ=グリエの映画『 囚われの美女 』が画家ルネ・マグリット…

▶ オスカー・ワイルドの戯曲『 サロメ 』を読んで考える

『 サロメ 』光文社古典新訳文庫 著者 オスカー・ワイルド 訳者 平野啓一郎 2012年4月20日 初版第1刷発行 発行所 株式会社 光文社 目次 サロメ 註 田中 裕介 訳者あとがき 平野啓一郎 解説 田中 裕介 『 サロメ 』によせて 宮本 亜門 年譜 現在では『 サロメ…

▶ 桜庭一樹の小説『 私の男 』を読んで考える

『 私の男 』 ◆ 著者 桜庭一樹 ◆ 発行所 文春文庫 ◆ 2010年4月10日 第1刷 ◆ 初出 別冊文藝春秋 2006年9号~2007年7月号 ◆ 単行本 2007年文藝春秋刊 目次 第 1 章 2008年6月 花と、ふるいカメラ p7. 第 2 章 2005年11月 義郎と、ふるい死体 p77. 第 3 章 200…

▶ 映画『 魂のゆくえ ( 2017 ) 』( directed by ポール・シュレイダー )を哲学的に考える

映画 『 魂のゆくえ ( First Reformed ) 』 監督 ポール・シュレイダー ( Paul Schrader : 1946~ ) 公開 2017年 出演 イーサン・ホーク ( Ethan Hawke : 1970~ ) エルンスト・トラー アマンダ・サイフリッド ( Amanda Seyfried : 1985~ ) メアリー フィリッ…

▶ 映画『 あの胸にもういちど 』( 1968 : directed by ジャック・カーディフ )をマンディアルグ『 オートバイ 』と共に哲学的に考える

はじめに --------------- この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味で、実は "自分が何も考…

池上遼一の講演録『 劇画家・池上遼一ができるまで 』を読む

◆ 小学館の漫画家本 vol. 12 『 池上遼一本 』は、池上遼一の漫画家人生が凝縮された読み応えのある本でしたね。池上氏のメジャー作品 ( 例えば、有名な所で『 サンクチュアリ 』、『 HEAT ー灼熱ー 』など ) にしか興味のない方は結構いる ( 残念なことに )…

▶ アラン・ロブ=グリエの映画『 快楽の漸進的横滑り 』( 1974 )を哲学的に考える

初めに。この記事は映画についての教養を手短に高めるものではありません。そのような短絡性はこの記事には皆無です。ここでの目的は、作品という対象を通じて、自分の思考を、より深く、より抽象的に、する事 です。一般的教養を手に入れることは、ある意味…