2016年5月21日、へヴィメタルバンド〈メガデス〉の元ドラマーのニック・メンザがLAのクラブBaked Potatoで演奏中に心臓発作で倒れ亡くなりました。享年51才。早過ぎですね。御冥福をお祈りします。
ニック・メンザ在籍のメガデス黄金時代
その彼がメガデスに在籍していた黄金期のラインナップ。手数の多いドラミングでメガデスを支えました。
左からマーティ・フリードマン(g)、デイヴ・ムステイン(vo&g)、ニック・メンザ(dr)、デイヴ・エルフソン(b)。この4人の編成時代が最強だと多くの人が認めるでしょう。
その黄金期の4枚の傑作アルバムのジャケット。曲を聴かずに判断するのはやめましょう(笑)。優れた楽曲揃いです。メンツ的にも、リーダーのデイヴ・ムステインが個性的というか性格に少々難ありというくらいで、いたって普通のバンドです。
〈 ラスト・イン・ピース 〉
" Holy Wars・・・The Punishment Due "
" Hanger 18 "
〈 破滅へのカウントダウン 〉
" Skin O' My Teeth "
" Symphony Of Desruction "
〈 ユースネイジア 〉
"Reckoning Day"
" I Thought I Knew All "
〈 クリプティック・ライティングス 〉
" Trust "
" Almost Honest "
" The Disintegrator "
" She-Wolf "
ここに挙げた4枚のアルバムの特徴は、スラッシュメタルからより普遍的なハードロック・へヴィメタルへの変化に尽きると言えるでしょう。
スラッシュメタルという事でいえば、1990年の〈ラスト・イン・ピース〉で既に完成されていました。今でもメタルの愛好者の間では評価の高いアルバムです。ここからメガデスは、ミドルテンポやメロディに特徴のある楽曲を増やしていきます。メタルファンだけでなく、より一般的な聴衆へのアピールを強めていったといえます。それが〈破滅へのカウントダウン〉、〈ユースネイジア〉です(ジャケットのアートワークは相変わらず異様な雰囲気ですが)。
そして1997年の〈クリプティック・ライティングス〉において、一般的なものへの路線は頂点を迎えました。ミドルテンポ・メロディのある楽曲とメタルの曲("The Disintegrators" や "She-Wolf"など)がバランスよく配置されメタルファンでなくても十分に楽しめる内容になっています。その意味で、メタルファンの間で人気のある〈ラスト・イン・ピース〉などの純粋なメタルには及び腰になるかもしれない人にも、この〈クリプティック・ライティングス〉はぜひオススメ出来ますね(ジャケットのアートワーク的にも、笑)。