左から トニー・マーティン ( Vo ) とトニー・アイオミ ( G )
BURRN! 誌の2016年7月号でも "トニー・マーティン再び !?" の記事がありましたが、トニー・マーティン時代のブラックサバスのアルバムの再発が企画されているとの事 ( それらのほとんどが廃盤となっているため )。
今年の1月に故コージー・パウエルの追悼式典で再会したトニー・アイオミとトニー・マーティンは、それらの再発盤に付け加える新曲作業の予定が近いうちにあるという。
オジーでもディオでもなく、トニー・マーティン・・・
■ オジー・オズボーンやロニー・ジェイムズ・ディオといった強烈な個性を持つシンガーに比べて地味 ( 外見やライブパフォーマンスなど ) なトニー・マーティン。
画像はサバス在籍時の30代の頃・・・髪も多いです。
それが60才近い今の風貌・・・変わってしまうものです。それだけ年月が経過したという事ですね。
■ 伸びやかに歌い上げる彼の正統派的歌唱法は、様式美的アルバム作りを行ったサバスに上手くマッチするものでした。ロニー・ジェイムス・ディオ在籍時のサバス ( "ヘブン&ヘル"、"モブ・ルールス" ) を第1期様式美時代とするならば、トニー・マーティン在籍時は第2期様式美時代とする事が出来るのでしょうが、第2期においては、第1期以上に様式美を極めたといえます。ただし、これはトニー・マーティンがディオより優れているという訳ではなく、ディオにはない哀愁のある彼の歌声 ( 彼はディオのような純粋なHMシンガーというよりはハードロックシンガーと言う方が適切でしょう、彼のその後の経歴を見ても・・・) が様式美の世界観により寄与していたという事ですね。ディオがこれでもかといわんばかりにグイグイと攻める力強い歌声なら、トニー・マーティンの歌声は聴く者に内面的に沈潜させ深く味合わせる渋みがあるといえるでしょうか。そんな彼の在籍時の4枚の傑作アルバムのジャケット。
『 エターナル・アイドル 』1987年
『 ヘッドレス・クロス 』1989年
『 ティール 』1990年
『 クロス・パーパシス 』1994年
■ どれも素晴らしいですが、個人的には 『 クロス・パーパシス 』、次に 『 エターナル・アイドル 』が好きです、あくまでもジャケットだけ見た場合 (笑)。では内容的にはどうでしょう?どのアルバムからも強力な曲をピックアップする事が出来るけど ( ぶっちゃけ、この4枚のアルバム全部好きだ )。
例えば 『 エターナル・アイドル 』オープニングナンバーである "The Shining"
"Hard Life to Love" from『 エターナル・アイドル 』
"Lost Forever" from『 エターナル・アイドル 』
"Headless Cross" from『 ヘッドレス・クロス 』
"The Law Maker" from『 ティール 』、名曲。
"Valhalla" from『 ティール 』
"Heaven In Black" from『 ティール 』
"I Witness" from『 クロス・パーパシス 』
前作『 TYR 』での荘厳な様式美の雰囲気とは変わって、トニー・アイオミの強烈なリフマスターっぷりが炸裂しているアルバム。堪らんな。
"The Hand That Rocks The Cradles" from『 クロス・パーパシス 』
"What's The Use" from『 クロス・パーパシス 』
■ こんな具合で、どれも名曲揃いですが、強いてアルバムをひとつ選ぶとすれば、『 ティール 』でしょうか。これはアルバム全体が北欧神話をモチーフとした構成で優れたコンセプトアルバムであり、奥行きのある音作りと相俟って、サバス様式美の頂点をなすものだといえるでしょう。
■ そしてトニー・マーティン時代のライブ映像 ( Live in Moscow 1989 )!
■ 昔からの曲でほとんど構成されているため、トニー・マーティン時代の曲は"Headless Cross (00:00~)"、"When Death Calls(29:23~)" くらいしかないが、それでもディオ時代の曲、"Neon Knights(06:23~)"、"Die Young(46:13~)" などを聴くとディオと同じく歌い上げるタイプの彼にあっていると思いますね。聴き応えがあります。
〈このブログ内の関連記事〉