〈 It / Es 〉thinks, in the abyss without human.

Transitional formulating of Thought into Thing in unconscious wholeness. Circuitization of〈 Thought thing 〉.

記憶に残したいシンガー〈 クリス・コーネル 〉

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以前このブログの記事

f:id:mythink:20210503025937j:plain 僕を楽しませてくれた映画『 007 カジノ ロワイヤル 』のオープニングをクリス・コーネルの死から再び見直した

クリス・コーネルについて触れ

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain 記憶に残したいグランジロック〈 サウンドガーデン 〉

でクリスの出発点であるグランジバンドのサウンドガーデンについても触れましたのでここで彼のソロアルバムについて語っておきますね

 

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 1.   Euphoria Morning 』

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f:id:mythink:20210503025937j:plain Euphoria Morning 』、1999年に発表されたソロアルバム1作目。"Euphoria Morning"・・・文字通り訳すなら "朝の幸福感" というところでしょうでもアルバムを聞けば分かるけどそれは幸福が溢れているというよりはクリス・コーネル自ら創りだした世界に心ゆくまで浸るという内省的な幸せに包まれている感じですね曲調としてはサウンドガーデン時代のアルバムに入っていてもおかしくないような曲 ( 彼らのアルバムの中にしばしば見られるクリスの内面を掘り下げたようなもの ) がソフトなロック調になったものといえるでしょう彼のシンガーとしての才能を再認識させてくれるほとんど捨て曲の無い名盤

 

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain サウンドガーデン時代には見られなかった癒しの雰囲気があるアートワーク

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f:id:mythink:20210503025937j:plain Chris Cornell  "Can't Change Me"  fromEuphoria Morning 』

アルバムの冒頭を飾ったヒット曲

 

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain Chris Cornell  "Preaching the End of the World"  fromEuphoria Morning 』

アルバム製作時にクリスがあまりにもありふれた曲調だとしてアルバムに入れるのを躊躇した曲確かにサウンドガーデンっぽさはほとんどない普通の曲だがその装飾のないシンプルさが心に響く1曲



 

f:id:mythink:20210503025937j:plain Chris Cornell  "When I'm Down"  fromEuphoria Morning 』

この曲を聴くと彼がグランジ出身とかそれを捨てようとしていたとかそんな類の話なんてどうでもよくなるくらい純粋に彼の歌声を堪能できる素晴らしい1曲



 

f:id:mythink:20210503025937j:plain Chris Cornell  "Wave Goodbye"  fromEuphoria Morning 』

親友であったジェフ・バックリィ ( 1997年にミシシッピ川で溺死 ) に捧げた曲



 

f:id:mythink:20210503025937j:plain Chris Cornell  "Sweet Euphoria"  fromEuphoria Morning 』

後年のソロアルバム『 Higher Truth 』の萌芽とでも言うべきブルースロック調の味わい深い1曲



 

 

 2.  『 Carry on 』

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f:id:mythink:20210503025937j:plain 『 Carry on 』、2007年に発表されたソロアルバム2作目1枚目のEuphoria Morning 』が内省的なアルバムであったのに対しこちらはロックンロール調 ( あくまでクリス・コーネル流だけどね ) でまとめられた秀作悪くはないのだけどEuphoria Morning 』の出来が良すぎたものだからちょっと物足りなさが残るかもそんな中でも『 You Know My Name 』だけは突出しているこの曲のために他の曲があるといってもいいくらいのカッコよさ。『 007 カジノロワイヤル 』で主題歌として聞きそのためだけにアルバムを買った人もいるでしょう

 

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain アップに耐えられる顔のカッコよさでいっぱいのアートワーク渋いね

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f:id:mythink:20210503025937j:plain Chris Cornell   "You Know My Name  from 『 Carry on 』

このMVでの髪を逆立てたクリス・コーネルを見て映画ファイトクラブ ( 1999年 ) 』の頃のブラッド・ピットを思い出したカッコいいね

 

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain Chris Cornell   "Billie Jean  from 『 Carry on 』

このアルバムで "You Know My Name" と並んで聞き応えのある1曲マイケル・ジャクソンのカバーだけどクリス・コーネルの世界観でブルージーに歌い上げた傑作



 

 

 3.  『 Scream 』

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f:id:mythink:20210503025937j:plain 2009年発表のソロアルバム3枚目の『 Screamラッパーであるティンバランドがプロデュースしたことでも話題になった作品ティンバランドのプロデュースということから分かる通りこの作品はデジタルロックあるいはデジタルR&Bというべきデジタル感満載の仕上がりになっている故にそれまでの路線とは違うということから賛否両論となった

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain ティンバランドがプロデュースしたジャスティン・ティンバーレイクの作品のように彼のプロデュースとはミュージシャンの能力 ( 歌やギターが上手い、楽曲がカッコいい ) を前面に出すロック的なものではなく打ち込みのビート様々な効果音などを駆使したクールなデジタル空間 ( ヴォーカルもその中の 1要素 ) を包括的なものとして提供するところに特徴 ( いわゆるヒップホップ的手法 ) がある

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain なのでティンバランドクリス・コーネルにいかに敬意を持っていたとしてもそもそも彼のやり方はクリスの能力を全開に引き出すロック的なものではないのでつまらないという批判 ( 気持ちは分かるけどね ) は1, 2枚目のソロアルバム側の視点に立っているに過ぎずこのアルバムについては何も語っていないのと同じということになるでしょう

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain アルバムの内容と噛み合っていないアートワーク・・・。これ見てアルバムを買った人は内容を聴いてあれっと思ったはずまあクリスとしてはそれまでのロック的なイメージを打ち壊すということを主張したかったのかもしれないけど

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f:id:mythink:20210503025937j:plain Chris Cornell  "Enemy"  from 『 Scream 』

ティンバランドのデジタル的サウンドクリス・コーネルの声の融合以前のソロアルバムのファンからしたらつまらないだろうけどこのようなデジタルロックはティンバランドでなければ出来なかったという意味では新鮮味があるこういうクールなサウンドが好きな人にはタマラナイでしょうただしこれがライブでどれだけ再現出来てたかというと正直キツかったと思う



 

f:id:mythink:20210503025937j:plain それと少し前に発表されたジャスティン・ティンバーレイクのアルバム『 Man of the Woods ( 2018 ) 』ティンバランドがプロデュース ( その他の多くの曲はネプチューンズがプロデュース ) した曲 "Say Something" を聴くと、『 Scream 』も上手くやればロックファンが面白く感じるアルバムになってたかもって今更だけど思いましたね

 

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain Justin Timberlake  "Say Something" ft.Chris Stapleton  from 『 Man of the Woods 』

この曲では今最も知名度の高いカントリーミュージシャンの クリス・ステイプルトン をフィーチャーしてアーバンR&Bとでもいうべきスタイルを披露しているああティンバランドってこういうプロデュースも出来るんだなって思ったこういうのを『 Scream 』でもやってほしかったな

 

 

 

 4.   『 Higher Truth 』

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f:id:mythink:20210503025937j:plain 2015年に発表された4枚目のソロアルバムであり生前のクリスの最後の作品となったこれまでのソロアルバムに垣間見られたサウンドガーデンっぽさは余り感じられないもののアコースティックサウンドのブルースロックでまとめられ渋い仕上がりになっている

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain   この作品は前作『 Scream 』の賛否両論からの反動として原点回帰したものと説明できるけどもはやソロ1枚目のEuphoria Morning 』を通り越しレイドバックし過ぎてカントリーやブルースロックに至っているとも言える

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain   この背景には前作『 Scream 』のセールス的な問題もあったかもしれないけど先にも述べた通りライブでの再現性の問題があったティンバランド的デジタル空間はライブでは思うように再現しにくいが故にステージ上のスカスカのサウンドは観客の盛り上がりを得ることが出来なかったと思う

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain   それならばいっその事自分の声や楽曲を純粋に味わってもらうためにアコースティックサウンドに回帰したのは容易に推測出来ますね。『 Scream 』『 Higher Truth 』の間に発表されたアコースティックライブアルバム『 Songbook ( 2011 ) 』がその事を示していると言えるでしょう

 

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain   天に向かって鋭く尖っている山頂とそこに重なる太陽というデザインのアートワークがレトロっぽくアルバムの内容 ( ブルースロック ) も象徴しているようでカッコいい

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f:id:mythink:20210503025937j:plain   Chris Cornell  "Nearly Forgot My Broken Heart"  from 『 Higher Truth 』

このMVはアルバムのアートワークを踏襲していて素晴らしいもちろん曲もね

 

 

f:id:mythink:20210503025937j:plain   Chris Cornell  "Worried Moon"  from 『 Higher Truth 』

ホント聞き入ってしまうよ素晴らしい



 

 

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