僕の記憶に残したいグランジロック 〈 サウンドガーデン 〉

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以前、このブログの記事

■   僕を楽しませてくれた映画〈 007 カジノ ロワイヤル 〉のオープニングをクリス・コーネルの死から再び見直した

クリス・コーネルについて書いたので、彼の出発点のバンド " サウンドガーデン " について触れておくべきでしょう。

 

 

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1. 『 Louder Than Love 』

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   1989年に発表された2枚めのアルバム ( メジャーデビューとしては1枚目 )。A&M というメジャーレーベルからリリースされたグランジのアルバムということで注目を浴びた・・・。

 

 

■   ライブの熱気が伝わるアルバムアートワーク。

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   でも僕の中では、グランジといえば余りにも一般的な意見だけどニルヴァーナなんですよね、サウンド的にも、風貌的にも。彼らの音楽って従来のロック的なものを破壊しようというパンク的な意志が強く感じられる。でもサウンドガーデンの音楽はロックあるいはメタルの枠組みの中で如何に自分達の意志を強烈に示すかという感じでロック・メタル寄りだと思う。レッド・ツェッペリン的要素+ブラックサバス的要素+変拍子の多用+バンドサウンドを決定するグランジで多用されるディストーションをかけたギター音。そしてグランジにしては歌が上手いヴォーカル 。これこそがサウンドガーデンの特徴でしょう。シアトルを中心に盛り上がったグランジシーンでしたが、バンドによって違いがやっぱりあるんですよね。

 

   で、普通ならこのアルバムを紹介する時は、"Hands All Over"、"Get on the Snake"、"Loud Love" とかを選んだりするんだけど、ここでは殆ど紹介されることのないブラックサバス的な曲 "Gun" をピックアップしますね。これはダークでドゥーミーで、いかにもサバス、いやサバス以上にサバス的な1曲になってます。だってサバスの方がまだメロディがあるけど、そんなもん振り切ってる重苦しいリフが繰り返される。最初はあまりのダークさに受容れにくさを感じるかもしれないけど、何回か聞いてるとクセになる・・・。

 

 

■   Soundgarden  "Gunfrom『 Badmotorfinger 』

■   "Gun" を聞いていると、メタリカのカーク・ハメットが "Enter Sndman" のメインリフのインスピレーションを『 Louder Than Love 』から得たというエピソードを思い出す。まあ、『 Louder Than Love 』のどの曲かについては彼は言及してないですけど。メタリカ史上、おそらく世間に最も有名な "Enter Sndman" がこうして出来たというのは興味深いですね。

                                         

 

■   Metallica  "Enter Sandman  fromMetallica

■   今ではもう見ることがない長髪が懐かしい。『 Metallica ( 1991年 ) 』( 通称ブラックアルバム ) を発表して間もない頃で、メンバーも20代だったからパワーがある。

 

 

2.  『 Badmotorfinger 』

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   1991年に発表された3枚目のアルバム。個人的にはサウンドガーデンの中で一番好きなアルバム。初めて聞いた時、これグランジじゃないだろ、メタルだよって思った! それくらいカッコよかったし、激しさが伝わってきた。今、久し振りに聞いても若い頃に聞いて湧き上がった衝動が甦ってくる。それくらい良いアルバム。このアルバムをへヴィロックの名盤として紹介した人もいたくらいだから。

 

   でも・・・一番好きなアルバムが傑作とは限らない。『 Badmotorfinger 』の路線のままだったら、そこそこ有名なグランジバンドで終わってたかもしれない。サウンドガーデンが唯一無二のバンドになるのに『 Superunkown 』は必要な傑作だったと思う。あのアルバムがあったからこそ彼らは今でも語り継がれるのでしょう。

 

 

■   いかにもロックなアルバムアートワーク。 

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■   Soundgarden  "Rusty Cagefrom『 Badmotorfinger 』

 

 

■   Johny Cash  "Rusty Cage from『 Unchained 』

■   あのジョニー・キャッシュも "Rusty Cage" をカバーしている。カントリーロック調で渋い。サウンドガーデンジョニー・キャッシュの組合せがいい。 

 

 

■   Soundgarden  "Jesus Christ Posefrom『 Badmotorfinger 』

 

 

■   The Dillinger Escape Plan  "Jesus Christ Posefrom 『 Plagiarism 』 

■   カオティック・ハードコアバンドの The Dillinger Escape Plan ( 1997~2016 ) が EP『 Plagiarism ( 2006 ) 』でカバーしている。このEPではナイン・インチ・ネイルズの "Wish" もカバー。 The Dillinger Escape Plan はハードで前衛的な音楽性で知られるけど、この2曲は基本的にオリジナルに忠実に演奏している。ちなみに、『 Superunkown 』が全米チャート初登場1位を獲得した時、2位だったのがナイン・インチ・ネイルズの 『 The Downward Spiral 』。でもサウンドガーデンクリス・コーネルナイン・インチ・ネイルズトレント・レズナーは仲が悪かった。

 

■   そんな彼らの仲をまるで取り持つかのようにThe Dillinger Escape Plan は2006年の『 Plagiarism 』で彼らをカバーし、8年後の2014年には一緒にツアーを始める彼らのオープニングアクトを努めたという話には不思議な縁を感じますね。

 

 

■   Nine Inch Nails  "Wish"  from 『 Broken 』

 

 

■   The Dillinger Escape Plan  "Wishfrom 『 Plagiarism 』

 

 

3.  『 Superunkown 』

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 ■   1994年発表のアルバム。初の全米1位を獲得。この作品によってサウンドガーデンは名声を得たといえる。前作『 Badmotorfinger 』でのストレートなへヴィ路線から変化してクリス・コーネルの内面の世界観がより反映された。それと相俟って、サウンドは単純な重みを表現するのではなく、幾分か軽く抜けが良くなったものの "澱み" が表現されているという相反するいかにもグランジ的な不安定さが集約された作品となった。でもこの作品が発表された時は自分も若かったこともあって、その良さがあまり分からなかった・・・。

 

 

■   この人っぽい謎の姿がグランジ感を煽っているアルバムアートワーク。

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■   Soundgarden  "Let Me Down"  from『 Superunknown 』

 

 

■   Soundgarden  "Black Hole Sun"  from『 Superunknown 』


■   このアルバムを象徴する1曲。どうしようもない絶望感が漂っているのに、逆にそれが感動的であるかのように思えてしまう危険なグランジ曲。だからこそ、多くの人を惹きつけカバーもされている。そしてデイヴ・グロールをしてビートルズ + ブラックサバスと言わしめた傑作でもある。

 

 

■   "Black Hole Sun by  Norah Jones


■   2017年、ノラ・ジョーンズが米デトロイトのフォックスシアターの公演でサウンドガーデンの "Black Hole sun" をカバーした。そこはクリス・コーネルが死去する数時間前に行われたサウンドガーデンとして最後の公演場所 ( 2017年5月17日 )であり、彼女の公演はその数日後のもの。彼に対して哀悼を込めたノラ・ジョーンズのパフォーマンスが感動的な1曲。

 

 

   "Black Hole Sun by  Peter Frampton


■   生前のクリスと『 Black Hole Sun 』の演奏で共演したことのあるピーター・フランプトンによるギターインストゥルメンタルカバー。トーキングモジュレーターの名手である彼の紡ぎだす "声" がクリスの不在を感じさせずにはいられない。哀悼に満ちたパフォーマンスが感動を誘う。

 

 

4.  『 Down on the Upside 』

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■   1996年に発表。本作で一度解散している。アルバムアートワークはカッコいいんだけど・・・。ジャケ買いして後悔した若い頃の記憶が今でもある (笑)。音もスカスカだし、楽曲的にも響くものがなく、緊張感もない、と感じた。キツい言い方かもしれないけど、これまでの作品が良かったからね。前作と差がありすぎるよ。全米チャートで2位になったのが今でもよくわからない。バンド自体に勢いがあったのかな。

 

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■   Soundgarden  "Ty Cobb"  from 『 Down on the Upside 』

    このアルバムからは "Pretty Noose"  とかが当然のように紹介されたりするけど、僕的には1曲選ぶとしたらこれかな。アルバムの退屈さをこの1曲で打破するパワーがある。

 

5.  『 King Animal 』

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 ■   Soundgarden再結成後の6thアルバム 『 King Animal ( 2012 ) 』。彼らのアルバムアートワークの中では一番好きですね。雪原に集まった無数の動物達の骸の中央に君臨する王の亡骸という構図がカッコいい。

 

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■   音楽的には、成熟しているなという印象が強いです。彼ら自身がサウンドガーデンらしさというものを理解した上での楽曲作りが余裕を持って行われているし、クリス・コーネルのソロっぽい曲を挟んでくる懐の深さも見せている。一言で表すなら、安心して聞いていられるアルバムという感じでしょう。たしかにかつてのグランジブームは去っていたし、彼ら自身もピリピリするような緊張感から抜け出していたかもしれない。それでもそこそこ良いアルバムをつくっちゃうという所に彼らの経験の積み重ねを感じましたね。

 

 

■   Soundgarden  "Been Away Too Long"  from 『 King Animal 』

 

 

   Soundgarden  "By Crooked Steps"  from 『 King Animal 』


フー・ファイターズデイヴ・グロールがこのPVの監督をしている。

 

 

 

 

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