哲学的考察と備忘録

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【 僕を哲学的に考えさせる建築物+緑化〈福岡編 3〉】

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僕を哲学的に考えさせる建築物〈福岡編 2〉ではエミリオ・アンバースのアクロス福岡について書きました。今回は、このアクロス福岡を語る上で欠かせないもう一人の立役者、植栽設計者である田瀬理夫氏に触れながら、前回のプラスアルファとして書きますね。

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【 田瀬理夫さん 】

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   アクロス福岡の植栽設計者として注目され、西村佳哲氏の " ひとの居場所をつくる: ランドスケープ・デザイナー 田瀬理夫さんの話をつうじて "という本で一般的認知度を高めた田瀬理夫氏。今や、緑化事業の第一人者と言っても過言ではないでしょう。エミリオ・アンバースが基本構想したアクロス福岡は、田瀬氏によって何年も時間をかけられて "山" と化したといえます。

 

 

【 自然との共生? 】

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   では私達はこの "山" について哲学的にどう考えるべきでしょうか?この見事なランドスケープを目にして、少なくとも僕は単純に "自然との共生は素晴らしい" と言うつもりはありません。

 

   というのも"自然との共生"といっても、"人口建造物"と "自然" が対等な関係になった訳ではないのは明らかでしょうコンクリート、鉄骨、ガラスなどの部材で構成された人口建造物の堅固さは揺ぎないのであり、それが自然化されることはありえない。では何が起こっているのでしょう?

 

 

【 緑化とは何か? 】

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   ポイントは "緑化" という言葉が何を示しているのかという事です。"緑化" が単なる自然化を示していると解釈する限り、"自然との共生" が何を意味しているのかを考える事は出来ないでしょうましてや人口建造物が実際に "緑化" する訳ではない ( 景観的には緑化しているように見えるかもしれないけれど ) のならば、"緑化"とは一体何か?

 

   端的に言うならば、"緑化" とは "自然の都市化" といえるでしょう。自然の一部を都市に ( ここではアクロス福岡という人口建造物 ) に適応させる事によって、都市に自然的なものを接続させているという訳です。これは都市の可能性を拡げるものではあるが、厳密にいうなら "自然との共生"とはいえないでしょう。

 

 

【 "5×緑" から "クイーンズメドウ"へ 】

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   事実、田瀬氏がアクロス福岡の植栽を通じて生み出したのは、"5×緑"という金網を利用した植栽ユニットでした。

 

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   これは自然の可能性を拡げるというよりは、自然を利用して都市の可能性を拡げるものでした。つまり、これは自然の領域へと余り踏み込むものではない。だからこそ、田瀬氏は "5×緑" という施工法を確立した後、それでは飽き足らずに岩手県遠野市における "クイーンズメドウ"のプロジェクトへ取り組むようになったのではないでしょうか。

 

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画像は、株式会社ゴバイミドリのオフィシャルサイトから。

 

 

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