哲学的抽象機械

Philosophical Abstract Machine

2018-06-10から1日間の記事一覧

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(10)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(9)からの続き。 10. 複数性としての幽霊 ② a. 幽霊的なものの特徴は、時間的にも、場所的にも、複数的である可能性を保持しているにも関わらず、それらを束ねて単独的であるかのように振舞える事です。しかし、…

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(9)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(8)からの続き。 9. 複数性としての幽霊 ① a. 精神は移行の運動という全体性において自らの真理を知る、つまり精神は知となる。しかし、移行に抵抗する個物が自らの中に収縮する時、精神は知に至らず、個物から…

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(8)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(7)からの続き。 8. 弁証法と存在論 a. 自分に先行するものとしての精神を否定して自らの存在に固執する人間とは何でしょう。ヘーゲルは『 精神現象学 』の 「理性」において現実に対する個人の二つの態度を挙げ…

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(7)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(6)からの続き。 7. 人間的なものについて a. 人間が〈 精神の過程 〉において発生したものに過ぎないのであれば、人間的なものとはいかなる意味を持つのでしょう。起源の分からない意識の中で、自らを人間であ…

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(6)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(5)からの続き。 6. 非人間的なものという哲学的真理 a. 精神の運動の結末としての絶対知の究極的結論は、ヘーゲルの標準的理解とは対極であるように思えますが、最初の出発点において自己疎外された物として存…

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(5)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(4)からの続き。 5. 知としての精神 a. ヘーゲルにおいては、精神は自らを自己の元ではなく他のものにおいて他在するという形で自己を回復する。しかし、ここからが大切なのですが、自己を回復するといっても、…

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(4)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(3)からの続き。 4. 移行する事が出来ない精神の正体としての幽霊 a. 既に述べたように自己疎外された対象において開始される精神の運動は、その過程において外部から人間を形成するという意味で非人間的なもの…

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(3)

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー( 2 )からの続き。 3. 主体の真実としての対象 a. ヘーゲルの哲学において、〈 精神 〉は〈 主体 〉として自己展開する。だが見かけ上は主体はその姿を直接的に見せる事はない。主体 ( 精神 ) は別の何物かに他…

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー( 2 )

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(1)からの続き。 2. 非人間的な物としての精神 a. 〈 精神 〉という概念の本質、ヘーゲル的に言うとそれは〈 運動 〉です。それも自己を取り戻す運動です。精神が自己外化した結果としての〈 対象 〉を、実はそ…

ヘーゲルにおける精神と幽霊 -幽霊の哲学ー(1)

精神とは幽霊ではないのか? a. ヘー ゲルにおいて〈 精神 〉とは〈 幽霊 〉の意味を含んではいないのでしょうか。なぜ、そう考えるかというと、ヘーゲルが強力に練り上げた概念である精神、そのドイツ語が持つ意味のひとつとしてあるはずの幽霊が文字通り幽…